ばんえい能力検定1回目「コムギ編」
ばんえい能力検定1回目
コムギが第4レース能検出走
パドックに現れたコムギ。
相当不安げな様子が感じられました。
若干ソワソワした様子でおどおど落ち着かない雰囲気さえ漂わせておりました。
カメラを構えている私の姿を見つけると、思いっきりカメラ目線!!
「ママ・・・怖いよー」そんな声が聞こえてくるような目で、私を見つめていました。
思わずそんな表情のコムギを見て、「コムギっ!頑張るんだよ!!」そんな言葉を発していた自分がいたことを思い出します。
出走走路スタート地点では、コムギに馬橇をはじめとする馬具が全て装着され、見た目はもう立派な競走馬のようでした。
このテストにさえ合格すれば、晴れてコムギも一人前のばんえい競走馬としてデビューすることができるのです。
そんな張りつめた空気の中、コムギがゲートに収まり発走のベルが鳴り響きました。
さぁースタートです!!
コムギの呼吸に合わせ、騎手の西謙一の手綱に導かれ、第一障害を難なくクリア!
騎手はコムギの呼吸を見ながら第二障害まで、何度もコムギの脚を止め、じっくりと力を貯めます。
脚を止めるのは、馬の力を100%引き出し、第二障害と、降りてからゴールまで体力を維持させるための方法の一つでもあり、これはばんえい競馬ならではの特徴の一つでもあります。
問題の勝負どころ第二障害です。
呼吸を整え。
さぁ~!!勝負!!
一気に坂は登ったもの、途中で止まるコムギ。
なかなか思うように障害を登りきれないコムギ。
落ち着け~、落ち着け~と祈る私。
それでもコムギは、一生懸命に腰を入れ!!障害の坂を駆け登ろうと必死です。
騎手が手綱一つで、馬を後ろに下げる(バイキ!!)そして出す!(ハイッ!)これを、専門用語で
バイキ!ハイッ!
バイキ!ハイッ!と言います。
この繰り返しで
徐々にコムギの馬体が障害のてっぺんまで到達!
見事な根性で障害を登りきり、あとはゴールを目指し、ひたすら重量を曳きながら進むだけです。
能検で大事なのはタイム。
合格できるタイム範囲でゴールさえすれば、見事テストは合格です!!
ゴール手前、少しだけスタミナが切れそうになりましたが、完走することができ、自力で合格の切符を手に入れたコムギでした。
本当にコムギは、よく頑張りました。
能検の姿は、入厩してきたときの、赤ちゃんっぽいイメージなど全くなくなり、勇ましい姿に思わず涙が溢れたことを今でもはっきりと覚えています。
これからは、ばんえい競走馬「コムギ号」として出走致します。
皆様、応援のほど宜しくお願い申し上げます。